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真理通信

  第105号 令和3年(2021年)3月1日発行


巻頭

戦場(いくさ)に出づる 
千たび  千人の敵に  かたんより 
ひとり  自己(おのれ)にかつもの
彼こそ最上の  戦士(つわもの)なり 
(法句経 103)
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◇新:法句経講義63◇
<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

  「人に勝つより、まず自分に勝て」とか「まず、おのれに勝て」とか、昭和の戦時中の教えのように受け取られるかもしれません。でもそれは、いつの時代にも通用する、生きていくうえでの大切な教えです。
 朝起きる時、布団を出るつらさ。布団を出るには、まず自分に勝たなければ、出られません。学校や会社に行くとき、いつも、楽しい気持ちで行けるわけではありません。自分の気持ちをふるい立たせ、何とか出かける日だってあります。
 嫌なこと、辛いことを避けたい、逃げたいというのは、誰だってあることです。でも、そうしたことをみんな避けていたら、いい経験もできず、忘れられない思い出も作れないかも知れないのです。
 勇気をもって、自分の逃げる心、弱い心にかつこと。それこそが真の勇者だ。今時のアニメのセリフのようですが、けして間違ったことではありません。
 「したいようにすればいい」とか「やりたくないことはしなくていい」とか、自分の気持ちを第一に考えようとする現代の風潮のなか、それだったら「自分」をいつまでも越えられない、自分を大きくしていけない、という考え方を伝えるアニメも、捨てたものではないなあと思います。
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 叙 景    表紙を語る

 コロナに苦しんでいるのは人ばかり。木も花も、鳥も虫も、コロナなど関係なしに、春に向かって一直線に進んでいます。
 ふと見あげると、まっ白な光が、雑木林のうえに輝いていました。そうだまた春がくる。緑がめばえ、温かな風が吹きわたる春。そんな春が来たら、コロナに負けない、強い力が取り戻せる。そう信じ、前を向きたいものです。
 八王子の園の、うしろに広がる雑木林での一枚。もう春がきます。

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< 主管所感 >

 則 天 去 私                                             友松 浩志

 段々、もの忘れがひどくなってきた。メガネをかけながらメガネを探すなんて、まるで漫画みたいなことをするようになった。書類がなくなるのは日常茶飯事、探し物で何時間も無駄にする。人生の残り時開が少なくなっているのに、とイテイラする。
 コロナ自粛の毎日、外に出かけることがメッキリ少なくなった。テレビはつまらないので、自然と本に手がのびる。最近は、どうしても読んでおきたい本を読もうとするようになった。最近読んだのは、夏目漱石の「硝子戸の中」。漱石晩年の小さな随筆集だ。何故読んでおきたい本かというと、文筆家志望だった父と母が、何かとこの本の名を口にしていたからだ。「ガラスドノナカ」は、頭にこびりついた書名だった。
 漱石が晩年(といっても48歳の時)、体調を悪くして家に引きこもりながら、身辺の細々としたことを、思い出を混ぜながらグダグダと書き、新聞連載したものだ。これがまさに、コロナで家にひきこもり、グダグダしている身にぴったりした。人は、外界と無縁に生きられるわけではない。こもっていても、人が訪れてきたり、昔の思い出が頭のなかを過ぎていく。大正初め頃の、早稲田や高田馬場あたりの風景が、静かに語られている。
 漱石は晩年、「則天去私」(そくてんきょし)という言葉を理想としたという。これは漱石が作った言葉だそうで「私心を捨てて、天の道理に従う」という意味である。昔の思い出を語るとき、自分のこれまでの人生が、まるで自分の意思というより、天の計らいのように感じられる、というのは、そろそろ私にも分かりかけてきたところだ。
 それよりも何よりも、身のまわりのものが頭の中から去っていってしまうのが怖くて、宣伝にのって、「記憶力」に効果があるという飲物を買い込んでしまった。もの忘れが、やがて「自分忘れ」にならないよう、目の前の暮らしを大切にしながら、コロナの災禍が一日もはやく終わることを祈ってやまない。

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西墓地別院志納金御礼◆
- 檀信徒の皆様のご協力に感謝して  - 

 前号でもお伝えしたように、昨年7月下旬、西墓地隣地に新しく別院が完成しました。木造2階建て/1階・2階とも約57㎡で、1階は休憩所とトイレ、2階は礼拝室になっています。檀信徒の皆様には、たくさんのご協力を頂き(志納金総額:19、603、000円)厚く御礼申し上げます。これまで休む所もなかった西墓地利用の皆様には、念願の施設として1階でしばらくお話しされたり、2階の仏堂で法要をされたりと、活発な利用が始まっています。
 檀信徒の皆様には、今号に志納金の寄付者名簿を同封させて頂きました。今回、東幕地の皆様にも、たくさんご協力を頂きました。厚く御礼申し上げます。
                           
                            △ 正面入口 車が1台とめられます。

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◆ 訃 報 ◆
■ 石上 善鷹 先生(大正大学名誉教授)
 昨年11月29日遷化されました。(91歳)北海道のご出身で、大正大学在学中から神田寺の青年会に入られ、卒業後は仏教学者として広く活躍されました。先々代の友松圓諦師の学門業績を継承され、平成27年には神田寺で、圓諦師の43回忌にあたって記念講話もして下さいました。

■ 関口 久志 上人(行田・醫王寺住職)
 昨年8月29口遷化されました。(72歳)大正大学卒業後、神田寺総務・幼稚園主事として8年間ご奉職下さいました。法務事務に精通され、先代の友松諦道師の右腕として活躍されました。退職後も、彼岸会には毎回ご助力下さいました。
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※「仏教豆知識」は、今号お休みさせていただきました。
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◆ コロナと戦う ◆
 昨年から、コロナ感染予防のため様々な工夫をして保育を行ってきました。手洗い・うがいの徹底はもとより、間隔をとって活動したり、だまってバラバラに昼食をとったり、行事にも大幅な見直しが必要でした。子どもたちもがんばってコロナに耐えています。一日も早い終息宣言を待っています。



                          △マスクに大分慣れました

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